STEEMITを勉強しようとwhitepaper読んでわかったこと(STEEM・SP・SBD編)
今回はSteemitを始めた人誰しもがぶつかる最初の関門、「通貨3種類あってよくわからん問題」について考えてみたいと思います。
多くのブログの説明をみてみましたが、多くは各通貨の特徴を述べるにとどまっているので本当に理解することは困難だと感じます。
今回は、それぞれの通貨の存在意義(=役割)を考えます。そして、各3つの通貨が結びつくことで何を成し遂げようとしているのか? なぜ3種類もの通貨を発行する必要があるのかを考察します。
SP(STEEM POWER)は株式会社でいうところの株式に類似する
株式会社において、会社の長期的な成長を信じる人は会社の株式を購入します。STEEMにおいては、その機能をSP(STEEM POWER)が担います。STEEMの価値が上がると考える人はSPを保有することでポジションを取ることができます。
株式保有者は株式保有数に応じて配当がもらえます。同様にSP保有者も数に比例する形で新規発行されるSTEEMをもらうことができます。
STEEMプロジェクトから見ると、「SPを保有している=プロジェクトに対して投資しコミットしている」ということなので、一番報いるべきはSPホルダーとなります。
株式とSTEEM POWERの比較
SBDは株式会社でいうところの「転換社債」に類似する
転換社債とは、一定期間を過ぎると株式に変更できる社債のことです。投資する側はプロジェクトの価値が上がると思えば株式に変換できる、会社側は事前に価格を決める必要がない/株式に変換されれば返還の必要がないというメリットがあります。
SBD=1USDで設計されています。ユーザーは、SP保有のリスクが高いと判断すればSBDで保有します。STEEMの価格が上昇すると判断すれば、そのタイミングでSTEEMに変換できます。STEEM側からしても、ユーザーに安心感を与ることでユーザーの囲い込みができることを見込んでいます。
転換社債とSBDの比較
STEEMはSPとマーケットを繋ぐために存在する
STEEMプロジェクトで最も優先順位が高いのはSP(STEEM POWER)といえます。SPを保有するということはこのプロジェクトの成功に対してコミットを示しているということだからです。より多くの人がコミットしてくれることでプロジェクトは一歩ずつ成功に近づきます。
では、STEEMの最も大きな役割はなにかというと、マーケットとSPを繋ぐ機能です。
実際に取引所で売買できるのはSPではなくSTEEMになります。STEEMがマーケットと繋ぐ機能を担ってくれるので、SPはSTEEMに変換するのに13週間(=約3ヶ月)要する設計にすることができます。
3種類の通貨の役割を理解する際に、考えるべき順番は、SP→SBD→STEEMです。3種類の通貨を2種類に減らすとなると、役割から考えるとSTEEMが減らされるはずです。ネーミングからしてSTEEMから説明されることが多いですが、そこから説明されると理解が難しそうです。
STEEMプロジェクトは、株式会社の運営の利点をブロックチェーンに組み込んでいる
STEEMの運営方法は株式会社と近しい形をとっています。通貨が3種類あるのも、株式(SP)・社債(SBD)、そしてそれを最も効果的に活用するためにマーケットとの接点通貨としてSTEEMを作成したと読み取ることができます。
一方で、違いもあります。株式会社ではよく「所有と経営の分離」と言われ、株主と企業運営は分離しています。(もちろん持株会などはありますが、それは義務ではありません。) 一方で、STEEMではプロジェクトに対する貢献の対価をSP or SBDで支払います。プロジェクトに対する貢献に対しSPで報いることによってどんどんユーザーをプロジェクトの成功にコミットさせるポジションを強めています。
ブロックチェーンを活用しながら、堅実・かつ成功確率が最も高くなるように設計されたスマートなプロジェクトだと感じました。