映画感想#11 ネタバレ「世界の"現実"旅行 6/全8回 東南アジア」(2018) オススメ度 7.8/10
Netflixオリジナルのドキュメンタリー「世界の”現実”旅行(Dark Tourist)」を見ています。ニュージーランド出身のジャーナリストDavidが死・恐怖をテーマに世界の現実を映し出す番組です。
第6回は「東南アジア」です。
東南アジアはタイ・インドネシア・ラオス・マレーシアと行ったことがあります。同じアジアでありながら日本と歴史背景や宗教・経済発展が異なるのでいつもミステリアスな場所です。マーケットからは人間らしさを感じ、また行きたいなぁ。
カンボジアの首都プノンペンで生きている牛をロケットランチャーで射撃する
カンボジアの首都プノンペン。ここではロケットランチャーやマシンガンを撃てる射撃場があります。多くの観光客がロケットランチャーを撃ちにカンボジアを訪れます。Davidはまことしやかに囁かれる「生きている動物」を射撃できるという噂を確かめに行きます。
ロケットランチャーをぶっ放せること自体がなかなかすごいみたいです。この射撃場の利益は全てカンボジア軍の軍事費用となるみたいです。実際にDavidは牛を射撃することを注文し、殺せる直前までいき、調査を終えます。最後は観客も安堵の表情。牛を殺すコストは400ドルです。
もし殺したとすれば、その牛はどうするのでしょうか?食べるんですかね?まさにダークツアー、みながらなかなか悲しいものがありました。
ミャンマーの首都「ネピドー」で民主化したミャンマーの現状を突撃する
次に訪れたのはかつてビルマと呼ばれていたミャンマーです。かつての首都はヤンゴンで僕自身もヤンゴンと習った記憶がありますが、2006年以降ネピドーという都市を平原のど真ん中に0から作り、首都としました。
ネピドーには実態経済があるわけではなく、軍用地だった場所に新たに造った「人工都市」です。Davidはガイド付きでネピドーを案内してもらいますが、人の生活の匂いがなく、ガイドの説明が虚しく響きます。
国会議事堂や軍事博物館を訪れると、民主化した今もなお、軍隊の影響を多く受けるミャンマーが伝わってきます。
やっぱり訪れるなら人がたくさんいて活気のあるヤンゴンがいいですね。
インドネシアのトラジャ族の「死体洗い祭り」を体験する
最後はインドネシアのスラウェシ島、トラジャ族の特徴的な葬送様式を体験します。インドネシアは島の数が10,000以上あるので、多くの特徴的な部族がいます。
トラジャ族は死を突然で断絶的な出来事とは考えず、来世への緩やかな流れの一貫だと捉えています。死後すぐに火葬することはせず、棺に入れ、イベント毎に出して死体をお掃除します。彼らは死体とは言わず「Resting」おやすみしていると表現します。
なかなか大掛かりで金がかかりそうなイベントでした。トラジャ族にとって葬儀が人生の中で最も重要でお金がかかる行事だそうです。こんなこと全員にやっているのかなと思い調べてみましたが、やはり権力のある人だけに行われるそうです。
死体を洗いながらスマホでセルフィーを撮る親族はかなりシュールでした。このような慣習も現代化し、外界と繋がることで徐々に薄れてしまっているようです。昔からの文化が薄れていくのはどこの国でも同じですね。