火星

kugaren (42)in #japanese • 6 years ago (edited)

今年（2018年）の夏から秋にかけて火星が接近します。7月31日には5,759万キロメートルになるそうです。大接近、らしいです。

2018年夏は、赤く輝く火星に注目！
https://www.nao.ac.jp/astro/feature/mars2018

火星。ロマンがありますよね。火星。宇宙。火星。火星。いつか私達は火星に住むことができるでしょうか？マーズワン計画にはとってもわくわくしますね！しかし、そもそも、人類はまだ火星への有人飛行を成功させていません。私達が生まれてくるずっとずっと前にはもうアポロ11号は月に行ったっていうのに。

なぜ？

2018年5月現在
火星に誰もいない理由

遠い
月は地球から384,400km離れています。火星は地球から96,000,000～58,000,000km離れています。アポロ11号が月に行くまでにかかった時間は4日と6時間45分ですが、今月打ち上げられたNASAの火星探査機「インサイト」は11月に火星に着く予定です。つまり現在確立されている技術をもってしても火星までは半年かかるということですね（ちなみ今年は上で書いたように〝火星大接近!!〟の年です。他の年ならもっとかかるでしょう）。

_{_{よく見る図では近く感じますが実際はとても遠いのです}}
これだけの距離があると、どうやって地球に帰るのかということが深刻な問題になります。人間は無人探査機のように、用が済んだらその地で朽ちるという訳にはいきません……よね？ね？
燃料や食料や水などの物資を用意するのも大変です。地球から持っていくか、うまいこと何かやってつくるしかありません。じゃがいもの栽培には熟知しておいたほうが良いでしょう。
また飛行中に浴びる宇宙線も大きな問題です。遠いということは月に行くよりも長時間、宇宙線に暴露されるということです。じゃがいもは芽を出さないかもしれません。多めに持っていく必要がありますね！
費用対効果が低い（と考えられている/た）
コスパが悪いというやつですね。火星に行って無事に帰ってくるためには莫大な資金が必要です。今まであった火星有人探査計画は、予算の問題で頓挫しているものが多いです。火星に行って国旗立てるのにそんなに金かけんのかよ、調査なら無人探査機で充分じゃねーか！ということでしょうか。

_{_{https://ja.wikipedia.org/wiki/スペースシャトル#甘すぎた予測と膨らんだ費用と危険性}}
確かに、火星に行って何ができるって何もできません。もっと調査が進めば、何かすごい、火星にしかない、ものすごい何かすごいｽｺﾞｲスペシャルなものが見つかるかもしれませんが、今のところあの星にあるのは不毛な大地だけです。地下には凍りついた水がありますが、それがなんだっていうのでしょうか。火星産の微生物はまだ見つかっていませんが、例えそれがいたとしても命を危険に晒してまで採集すべきものでしょうか。YES!誰かとってこい！
莫大な費用をかけても火星に行く価値があると人類が信じることができれば、この問題は解決するかもしれません。実際、火星に行くことにロマンを持つ人々はたくさんいますし、NASAもESAもイーロン・マスクもアラブ首長国連邦も火星有人探査計画を掲げています。
過酷すぎる環境
火星の地表に宇宙服なしで立つにはかなりの覚悟がいります。
極めて薄い大気、惜しみなく降り注ぐ大量のUV、一匹のバクテリアも許さない潔癖すぎる土壌、核爆弾を落としたらどうかと言われるくらい低い気温、低重力下で過ごすことによる人体への影響、砂嵐……。
火星の大地を踏んだその足で生きて帰ってくるためには、最先端の科学を使っていろいろしなければなりません。ええ、いろいろ。
おそらく、人間の尊厳をいくらか又はぜんぶ踏みにじれば、来年かそれくらいにでも人間が火星に行くことは技術的に可能です。しかしライカ犬になりたい人がいるでしょうか。私はあの可愛そうな犬たちのことを思い出すと、思い出すと……。

それでも人類が火星に
行かなければならない理由

人口増加による地球資源枯渇への懸念
人類の人口は現在75億人です。2100年には122億人に達すると予測されています。はたしてそれだけの人間が暮らしていけるリソースが地球にはあるのでしょうか。
例えば食料。現在地球は温暖化しています。寒冷化説と温暖化説がありますが、私はシベリアの状況やその他もろもろのデータから温暖化説を支持します。温暖化が進めば、低緯度地域の農地は干ばつによる深刻なダメージを受けます。また農研機構の研究によると、世界の主要穀物、玉蜀黍🌽、米🍚、麦🍞、大豆|ω・)ノ゜。°゜は気温上昇により収穫量の伸び（収量増）が鈍化することが分かっています。今のままでは将来、深刻な食糧問題が起きるでしょう。
そしてエネルギー。現在、人類のほとんどは化石燃料に依存しています。再生エネルギーへの切り替えも行われていますが、まだそれは補助的にしか使われていません。
人類がこのまま化石燃料を使い続けたらどうなるでしょう？化石燃料は枯渇するとも無限にあるとも言われていますが、それらが無限にあるとしても、その価格は上昇し続けます。採掘しやすい/できる場所の地下資源には限りがあるからです。それらをとりつくしたら、今よりもコストをかけて資源を採掘しなければなりません。化石燃料が高騰したら、現在のような高エネルギー文明を維持できなくなる可能性もあります。
灯油一リットル十万円になったら、あなたは石油ストーブを使い続けますか？あなたが資産家でないなら、原始人のように焚き火で暖をとるしかなくなるでしょう。
火星に有用な資源があるかはまだ分かっていません。もし見つかったら私達は皆ハッピーになりますね☆
地球のバックアップとして
地球に人が住めなくなる。そんな日がいつかやってこないとも限りません。巨大隕石、伝染病、異常気象、宇宙人の侵略、地底人の侵略、凶悪な独裁者に地球を丸ごと管理される可能性、テロリストによる核攻撃……。
火星に人が住むことができるようになれば、そういったリスクを回避することができます。
隕石が地球を破壊しても、火星にいれば安心安全☆地球で凶悪なウイルスが猛威をふるっても、火星にいれば安心安全☆異常気象も怖くない♪宇宙人も地底人も独裁者もテロリストもいざとなったら地球ごと破壊！
自然の摂理
人類はアフリカ大陸から始まった……ということになっています。はい。
人類はアフリカ大陸から始まりました。
私達の祖先は遙かなる旅をして、それぞれの土地にやってきました。そして今もなお、私達はどこかへ行こうとしています。
私達が火星を求めるのは、人類の資源を増やすという合理的な選択のため、それだけなのでしょうか？フロンティアの先駆者利益を求めるという打算的な目的のため、それだけなのでしょうか？
ちがう！きっとちがう！
私達はそうなるようにできているのです。米や水を求めて彷徨う、または働くように、フロンティアを求めるようにできているのです。
フロンティア！フロンティア！
インターネット！深海！仮想通貨！そして宇宙！
なぜ私達はそこに留まらないのでしょうか？なぜ未知なる場所に憧れるのでしょうか？なぜ火星を求めるのでしょうか？その理由は一つしかありません。私達が人間だからです。