仮想通貨との出会いを思い出して、通貨とは何かを考えてみる

in #japanese6 years ago

仮想通貨と言うと、自分も知らないものがいっぱいあり、自分の知らない技術がたくさん使われおり、知らない単語が飛び交い、その一方で怪しいものだと拒絶反応を示す人もたくさんいます。
今、ホットな分野だと思いつつ、では、みなさんはどのようにしてこの仮想通貨と言う概念を知ると言うか、触れるのかなと思います。

個人的な話を書くと、私が仮想通貨の概念を知ったのは、2001年ごろに村上龍氏の小説「希望の国のエクソダス」と言う、中学生たちが自分たちでアスナロと言う組織を作り、経済的に日本から独立すると言う、近未来小説の中でした。
この中で、地域通貨と言うものが説明されており、今にして思えばあれが仮想通貨の概念だったと思うわけです。
しかし、もっと驚きだったのが、この小説の中で書かれていた「通貨」とはなにか? ということです。
小説の話を書くと、当初、中学生たちはICカードで配布される地域振興券を偽装しようとします。
それについて主人公は、「それは犯罪だよ」と言います。
それに対し、中学生のリーダー?(のような人物)はお金の概念について語ります。 その部分を引用します。

-引用
お金というのはどうしてお金と認められるかということですが、それはどこか偉い人が、これをお金にする、と決めたからじゃなくて、みんながその紙切れをどこかに持っていけば何かと交換できると信用しているからなんだって、そのことにもぼくは、突然、気づいてしまったんです。
~中略~
ぼくは、信用していないぞう、と言いたいわけです。通貨くらい自分たちで作れます。信用を、創造すればいいわけでしょう?
~中略~
要するに国会議員とか閣僚とか官僚とか警察ですよね。そういう連中よりも、明らかに、より、良い、信用、を創造すればいいことだと思いません? 海外でも認められるような、新しい信用さえ作ってしまえば、それは犯罪じゃないでしょ?
-引用終わり

同じころ、ロバートキヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」にも、通貨と言うものがトランプタワーのようなものだと表現したのは驚きでした。
そう、信用の創出。 多く語られているブロックチェーンなどの技術と言うのは、その信用を創出・維持するための物ということで。
と、言うわけで、長い前置きでしたが、技術的な事は調べないとよくわからないですが(…一応エンジニアなんで調べればわかるはずですが)、信用の創出に関してはマーケティングやセールス、心理学の勉強から語ることが出来るので、その観点から仮想通貨に関して書こうかと思います。

マーケティングの鉄則からみる仮想通貨?
1、屏風とブランドは広げすぎると倒れる 信用は広げすぎると薄くなる
意外ですが、通貨は広がるからこそ使われるので、なんでも出来る方がいいのではないか? そう思われたと思います。
しかし、実際には会社などの組織でもそうですが、大きくなりすぎて何をやっているかよくわからなくなると、ブランドの価値は低下してしまいます。
それと、関わる人間が多くなるほど、多くの思惑が絡んでいくことで、その理念や思想が薄れてしまい、ブランドの存続が難しくなっていきます。
これは、ファンが多ければそのブランドの世界を壊すマネはしませんが、それ以外の人が関わることによりブランドに対する愛着も薄れて、内部で内部闘争などが起きやすくなるからです。
確かに、ある程度広がりは必要ですが、必要以上に広がると逆に弱くなりますので、その見極めが難しいです。

2、目的を絞ること
1と同じような気がしますが、何が出来るのかはっきりしていないと、ブランドは選ばれることはありません。
例を出すとアマゾンクーポン。 アマゾン内の商品が買えます。 ハッキリしていますね。
電子通貨だと、トイカとかマナカ。(東海地区在住なんで) ただ最近だと、電子マネーは相互利用が出来るようになってきたので、逆にその存在価値が薄れつつあるのも、ブランドの特性をよく表しています。
先に出したアマゾンクーポンや各種商品券、街中で言うと喫茶店のコーヒーチケットに至るまで、仮想通貨と言える物?は結構存在していますが、どちらかというと囲い込み戦略として使われることが多いです。

3、誰のためになるのか
要するに、誰にメリットがあるのか? ですね。 これもはっきりしていないと、ブランドはあやふやになってしまい、あまり広がりません。 使う必要が無いからです。
例を出すと、以前、水曜どうでしょうと言う番組で、大きなイベントがありましたが、その中で「どう券」という会場内通貨を発行していました。
理由は、お金を使うと釣銭などの管理が煩雑になってしまうので、一部の商品を除いて会場内通貨(一枚100円のクーポン)を購入してそれで決済を行っていました。
わかりやすいですね。 誰が使うかと言えば、そのイベントに参加している人です。
ブランド構築でも言われることですが、あまりターゲットを絞りすぎると、使う人が少なくなってしまうのではないか?
実際には、そのコンセプトが良ければターゲット以外の人も使うので、それほど心配することではないです。

今回も長々と書いてみましたが、色々と突っ込みどころもあるかと思いますが、この辺りを考えて仮想通貨を設計すると、いいのではないかと思い書いてみました。

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